SNSが日常的に活用されている近年では、企業の取り組みや商品の情報を発信するためにSNSが活用されることが増えています。
数あるSNS中でもTwitter(ツイッター)は、日本におけるメジャーなSNSとして多くのユーザー(2017年時点での国内アクティブユーザー数は4500万アカウントを超え)が利用し、企業もTwitterアカウントを運用する時代になりました。
最近では求職者・新卒者がTwitter上で採用活動を行うケースも増え、それに伴い企業もTwitter採用と呼ばれる新たな採用活動方法に取り組んでいます。
そこで今回は、Twitterを活用した効果的な採用活動をするためのポイントや、Twitter採用のメリット・デメリットなどについて解説します。
「Twitterを活用した採用活動を検討している」
「若年層や即戦力の人材が欲しい!」
このようなお悩みを抱えている採用担当の方は、ぜひ参考にしてみてください。
企業がTwitter(ツイッター)で採用活動をする3つのポイント
Twitterで採用活動を行う場合には、いくつかのポイントをしっかりと押さえなくてはなりません。
企業の雰囲気が伝わる投稿をする
求職者は、求人に応募する際に社内の雰囲気がどのようなものかを気にしています。
社員が笑顔で写った集合写真や休憩中のオフィスの雰囲気がわかるようなツイートすることで、
「この会社が気になる!」
「面接に応募してみようかな」
と、求職者から興味を持ってもらえます。
また、日々のツイートで自社のミッションや求める人物像を掲げることでも、企業の雰囲気や大切にしていることを求職者へ伝えることができ、採用のミスマッチを防げます。
ハッシュタグ(#)を活用する
他のSNSと同様に、Twitterにも「ハッシュタグ(#)」機能があります。
キーワードの頭に「#(ハッシュマーク)」を付けることでそのキーワードのハッシュタグを作ることができ、キーワードに興味のあるユーザーへ情報が届きやすくなることが、ハッシュタグの大きな特徴です。
ハッシュタグは企業のSNSマーケティング戦略でも有効利用されるケースが多く、採用活動として求職者へリーチする際にも役に立ちます。
例えば、Twitter上でデザイナーに転職したいと考えている求職者は、「#デザイナー」「#デザイナー転職」などのハッシュタグで検索する可能性が高いです。
企業側もそれらのハッシュタグを付けた投稿をする、あるいはハッシュタグが付いた他のユーザーの投稿を調べてみることで双方の需要がマッチし、より効率的な採用につながります。
ターゲット像を明確にする
採用活動を行うにあたっては、「求める人物のターゲット像」を明確にする必要があります。
総務省の発表した「情報通信白書平成29年度版」によると、Twitterユーザーの年齢層は10代・20代・30代の順で利用者数が多いことがわかりました。
Twitterユーザーの多くが学生や新社会人、第二新卒者などの層であり、若手人材を採用したい企業や若者に人気のある業界の採用にとっては、Twitterでの採用活動は非常に有効です。
近年では「#22年卒」のような、学校の卒業年度(今回の例であれば2022年新卒の学生)をハッシュタグ化した投稿も流行し、新卒採用にも効果が期待できるでしょう。
もちろん、キャリアを積んだ中堅社員や30代以降で転職に挑戦する求職者もTwitter上で活動していますので、企業の欲しい人物像をしっかりとターゲティングすることが、採用を成功させるポイントです。
企業がTwitter(ツイッター)で採用活動をする3つのメリット
では次からは、企業がTwitterで採用活動をするメリットについて、それぞれ解説します。
企業にマッチする人を見つけやすい
企業の採用活動で一番避けたいことが、企業と求職者の双方のミスマッチです。
採用活動には時間もコストもかかります。採用後のミスマッチによって、求職者が会社に馴染めずすぐに退職してしまうことは、企業にとって大きなリスクです。
Twitterでの採用活動では、求職者のターゲット層を限定できることや、ツイートによって自社の雰囲気をあらかじめ求職者に伝えることができるため、従来通りの採用よりもミスマッチも抑えることができます。
ツイートに写真や動画を載せて投稿することも、採用活動に効果的。
企業の採用アカウントのツイートを見ることで、求職者も「この会社に応募しようかな」「ここは自分とは合わなそう」と、応募や面接前に判断できるためにミスマッチを防ぐことにつながります。
採用コストを抑えられる
採用活動では、人件費の他にも求人媒体への掲載費や広告費など、さまざまなコストが発生します。大手企業が運営する求人サイトに自社の求人を載せれば、多くの人に求人情報を見てもらえます。
しかし、求人サイトを利用してもなかなか採用にまでつながらないケースもあり、採用ができないのにコストだけが発生してしまう状況も少なくありません。
Twitterは、アカウント作成やツイートの投稿など、基本的な機能は全て無料で利用できます。
そのため、Twitterを利用した採用活動では、従来の採用活動よりもコストを抑えることが可能です。
気軽に投稿できる
Twitterには一回の投稿が140文字までという制限があり、毎回の投稿を気軽に行えることが大きな特徴です。
ちょっとした休憩時間に社内の雰囲気をツイートしてみる、無駄な内容を省いた140文字の求人情報をツイートするなど、運用方法は多岐にわたります。
比較的継続して発信できるのも、自社アカウントを知ってもらうためには効果的です。
さらにTwitterには、RT(リツイート)と呼ばれる拡散機能があります。
Twitterの拡散力は非常に高く、ユーザーに興味を持ってもらえたり、共感してもらえるようなツイートをすることでより多くのユーザーに自社アカウントを知ってもらうことは、採用活動にも効果的です。
企業がTwitter(ツイッター)で採用活動をする際の3つの注意点
Twitterを採用活動に利用する際には、いくつかの注意点があります。
不適切な投稿はしない
SNS運用で一番に気を付けなければならないのが、他者を不快にさせるような投稿はしないこと。
「同業他社への誹謗中傷」「ユーザーに対する反論」など、自社の採用活動や紹介とは関係のない投稿や不適切な投稿は避けましょう。
過去には、企業のSNSアカウントが不適切な投稿をしたことで炎上したケースもあります。
もし炎上してしまった場合、企業の信頼が失われると同時に、騒動が収まるまでには長い時間を要します。
炎上を避けるためにも、多くの人が不適切だと感じる投稿は絶対にやめましょう。
Twitterの運用ルールを定める
他者を不快にさせることのないように、Twitterで採用活動を行う場合には必ず運用ルールを定めましょう。
先ほどもお伝えした通り、良くも悪くもTwitterの拡散力は非常に強力です。
プライベートではなく企業の採用活動としてTwitterを運用するため、担当の従業員や部署間における運用ルールは遵守しましょう。
Twitter運用担当者への教育を実施する
Twitterの運用ルールを徹底するのと同時に、Twitterアカウントの運用担当者への教育も欠かせません。
過去には、企業のSNS運用担当者のモラルが低かったことで不適切な投稿をしてしまい、炎上につながったケースもあります。
自社にSNS運用の経験がない場合は、Twitterを採用活動に利用する前に担当従業員へSNSの教育を行うことがおすすめです。
Twitter(ツイッター)で採用活動を行なっている企業の事例
ここでは、実際にTwitterで採用活動を行なった企業の事例を2例紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
中途採用の9割はTwitter経由「株式会社ジラフ」
匿名質問サービス「Peing-質問箱-」を運営している「株式会社ジラフ」は、中途採用の従業員の9割がTwitter経由での採用と、Twitterを採用活動に上手く活用している企業です。
驚異の採用結果ではありますが、ジラフのTwitter採用アカウントではこれといって特別なことはせずに、他人のいいねしたツイートや自社アカウントのツイートにいいねをくれた人のプロフィールを見るなど、地道な活動によって採用までつなげています。
ツイートから1ヶ月で30名の応募「株式会社Jizai」
転職NENDO(ねんど)をはじめとしたプラットフォームの開発や運用事業を手掛ける「株式会社Jizai」の代表である佐々木 貴史氏は、自身のTwitterアカウントを上手く活用して、1ヶ月で30名もの自社事業に携わるインターン生を集めました。
当時、佐々木氏のTwitterアカウントのフォロワー数は1000フォロワー未満であり、ご自身も事業を法人化する前の個人事業主でした。
そのような状況の中でも、さまざまな求人募集をかけることのできるサービスの「bosyu(ボシュウ)」の活用や、拘り抜いた募集内容の投稿をしたことが多くの人に拡散され、募集へとつながりました。
Twitterを利用して、効果的な採用活動へとつなげよう!
今回は、Twitterを活用した企業の採用活動について解説しました。
Twitterには転職活動や就職活動を行なっている最中の求職者が多く、また従来の採用よりもミスマッチを防ぐことが期待できることからも、企業の新たな採用活動の場としても注目されています。
「従来の採用活動で思うような効果を得られない…」
「よりターゲティングを強めた採用活動を検討している」
「SNSを活かした採用活動に挑戦したい!」
このようなお悩みを抱えている採用担当の方は、ぜひ一度、Twitterを利用した採用活動を実施してみてはいかがでしょうか。